恋愛&小説のブログ

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小さな握りこぶし43

その日


わたしの両親は仕事で


彼が着く予定の時間


家には私と愛犬だけだった


片道8時間という距離を


走ってくるのだから


たいそう疲れているだろうと思い


床を用意する


すると間もなく


慣れぬ車の音がした


窓のカーテンをチラッとめくると


彼のワンボックスカーが


バックしながら


テールランプを光らせていた


いよいよ来た


ピーンポーン


呼び鈴が鳴り


約2ヶ月ぶりの再会をする


「久しぶり」


「うん、よく来たね


上がって」


小さな握りこぶし

小さな握りこぶし42

翌朝6時


彼からメールが来ていた


「今から出発します」


「はーい


気をつけてね」


メールを返しながら


少しづつ不安がつのる


不安の方が大きくて


"好きな人に会う"ドキドキ感は


全くと言っていいほど


湧いてこなかった


はぁー


わたし上手くやっていけるだろうか


ここまで来たら


"やっぱり止めます"とは


とても言えない


心の中で


彼が少しでも遅く着くように


願っていた


一方の彼は


順調に東京まで南下し


「今、神奈川にいます


順調に走行中(^-^)」


と返してくるのであった


人の気も知らんと


まぁ、彼にも


少なからず不安はあるのだろうが


まったく感じさせない


理由もなく益々


不安になっていくのであった


もう彼は目の前まで


来ている


小さな握りこぶし

小さな握りこぶし41

診察を終えて


診療所を出ると


次は転出届をだしに


役場へ行った


あーいよいよ


引っ越すんだなぁ


実感が湧いてきた


もう後戻りはできない


行くだけだ


内心ビビっていた


引越しは2日後に迫っていた


翌日、彼が来る前の日は


人生初のパーマをかけ


マツエクをした


面倒くさがりな私の


なんちゃって化粧である


マツエクはナチュラルで


パーマはゆるふわという


初心者且つ面倒くさがりに


最適な助っ人


夜寝る時に


ほっぺに向かって


内巻きに髪をくるくる


指で巻くだけで


パーマが維持出来るという優れもの


気合を入れて


その日を迎えるのであった


小さな握りこぶし