小さな握りこぶし57
それでも勉強する気は起きず
残り半年は
家族が出かけると
家でゲームをしたり
テレビを見たり
今で言うところの
中学生"ニート"になっていた
外出するのは周りの目が怖かった
買い物やレストランで食事をすると
(買い物とかレストラン
行く暇があるなら勉強しろ)
と誰かに言われている様な錯覚に陥った
それが怖くて
誰と一緒であろうが
1人であろうが
外には出られなくなった
そんな状況で母は
今回は滑り止めで
私立を受けるように促した
プライドだけは高かったわたしは
少しムッとしながらも
母の助言に従った
子供ながらに
これ以上は両親に
迷惑をかけられないと思ったのか
はたまた
学校へ通いたい思いの方が
名門校に行くよりも強かったのか
とにかく併願という形で
高校入試を迎えた
小さな握りこぶし