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小さな握りこぶし61

担任の先生にも


(これなら、上級クラスに戻れる)


そう言われた


高校2年後半くらいから


同姓の男子からいじめを


受けるようになっていたわたしは


死に物狂いで勉強し


そこから這い出したかった


しかし進級した私は


変わらず5組だった


大人が信用ならないものだと


身をもって思い知った


いじめは相変わらず続いた


きっかけは些細なことが


重なった事からだった


小さな握りこぶし

小さな握りこぶし60

高校生活は想像以上に楽しかった


同級生とは一歳差があったけれど


ほとんど気にされなかった


上級クラスで


あぐらをかいていたわたしは


進級するとともに


3クラス落ちることになる


自分の甘さが露呈し


恥ずかしくなった


授業の質も下がり


普通にクラストップは取れた


ただ、やっぱり


上級クラスに戻りたい気持ちは


日に日に強まり


テスト前でなくても


猛勉強するようになった


学年順位も元より


高い位置をキープするようになり


次の進級では


上級クラスに戻れる


そう確信した


小さな握りこぶし

小さな握りこぶし59

合格通知が来た瞬間


ああ、高校生になれるんだ


また学校に通えるんだ


もはや、どの高校に行くかは


些細な問題にもならなかった


ただただ


高校生になれる確証が得られただけで


満足であった


当時の気持ちは


今思い返してみても


表現できる言葉がない


感動とは違う


1人きり落とされた落とし穴から


カッコ良く這い出そうとしていたところに


綱ばしごではなく


麻のロープが降りてきた感じ


でも、その麻のロープが


わたしの目には


黄金の生糸に映った


そんな事もあって


公立入試は正直


どうでも良くなっていた


受かろうと受からまいと


高校生になれるという実感の方が


大きかった


そして偶然にも一つ下の弟と


同じ高校同じ学年になった


違和感があったが


8クラスある中で


わたしのいる2組と


弟のいる8組とは


かなり離れていたので


学校内で会うのは


部活の時ぐらいだった


小学校から始めた


卓球部にふたりで所属した


小さな握りこぶし