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小さな握りこぶし24

何年ぶりかの東京


以前来た時はまだ


東京駅が改装工事中で


道がわかり易かったけど


見違える改装を遂げたそれは


方向音痴の私にとって


もはや迷路以外の何物でもなかった


春休み期間の週末という事もあってか


人でごったがえしていた


ひえー


早く合流しないと


人に酔いそう


急いで目的の改札へ向かう


時折矢印を見失いながら


なんとかたどり着いた


ここが日本の中心


なんだか足を踏み入れては


いけないような気がした


電話で位置確認をする


「やっほー


今、どこにいる?」


だいたい3年振りに聞く


学友の声は


昔と変わらず


彼女のままだった


「カフェの近くにいるよ!」


わたしは近くにある目印の


名前を言って


彼女を目で探した


「ああ、分かった見つけた!」


遠くに携帯を片手に


手を振る彼女が見えた


相変わらずの美人


仕事をバリバリこなす


キャリアウーマンは


この後も何かの創立記念パーティーに


出席すると言っていた


ふたりでカフェに入り


久しぶりの話に花が咲く


彼女の話は


私の領域から外れすぎて


実感がわかない分


とても面白い


今は10億ほどのプロジェクトも


動かせるようになったとか


オリンピック選手や


著名人とたくさん仕事を


している話


大学時代の彼女も


大きな事を平気な顔で


こなしていた


昔と変わらない


むしろ逞しさが増して


カッコイイな


わたしの話はといえば


10億を動かすほどの


話ではないのだが


気心知れた彼女には


報告したかった


「今度ね


雪国に引っ越すことになったの」


小さな握りこぶし

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