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小さな握りこぶし19

テレビはこたつのすぐ近くにあるのに


その音はとても遠くに聞こえる


「ちょっとわがまま


言ってみてもいい?」


真剣な話だけど


ちょっと言いやすくしてみる


「うん、なに?」


これで後には引けなくなった


いけ、わたし


「えっとね


わがまま言っちゃダメだけど


家に一人ぼっちは寂しいので


お家に置いてもらえないでしょうか?」


通じるかな?


どうかな?


結構、いっぱいいっぱい


「え、あ、うん


君がそれで良いなら


俺は全然構わないけど」



そんなあっさりなの?(笑)


意外と障害がなくて


拍子抜けですけど?


「ほ、ほんとに?」


念の為かくにん


「うん、ほんとに」


多少は驚いたんだろうが


結論はすぐ出たみたいだった


「ありがとうございます!


あー良かった


今日の仕事やり切った!」


割とそこまで深刻に考えなくても


よかったのかな?


「一応、大家さんに確認してみるね


近親者しか同棲できないかも知れないから」


そーいうパターン


あるよね、当然


「うん、よろしくお願いします」


まあでも


第1関門というか


今日の課題はクリアです


そして翌日


帰る時間まで


駅周辺をドライブしてから


駐車場に車を停め


後部座席で話をする


この年末年始は


本当に充実した5日間だった


他愛ない話をして


出発の20分前


「そろそろ時間だね」


彼が切り出す


「うん」


言いながら車から出ようとする私に


「ねえ、キスしよっか」


マジか


まあ、そのための


後部座席トークだったけど(笑)


いざ、そう言われると


いきなり恥ずかしくなる


「え、えっと」


怖い、かも知れない


頭が混乱してくる


「無理だったら


無理って言ってくれて良いから」


いやぁ


ダメかと言われると


拒否するほどではないのだろうが


わたしは昔ある事がきっかけで


異性恐怖症という


精神病を患ったことがあるのだ


症状は個人差がある様だが


私の場合は


同い年位の異性が


近くにいるだけで


勝手に息を止めてしまったり


恐怖でいても立っても


居られなくなった


6歳上の彼がその条件に


当てはまるのかどうかは


分からない


このとこは以前


彼に話済みだった


(続きは


小さな握りこぶし5-2へ)


そんな事があってから数日後


「大家さんから


おっけー出たよ」


彼からの返信に


ガッツポーズをせずに居られなかった


これで晴れて


春から同棲生活がはじまる


もう迷いはなかった


小さな握りこぶし

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