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小さな握りこぶし53

高速に乗るまでの間


涙が止まらず


車内のティッシュで


目頭を押さえた


「あーあ


泣かないつもりだったのに


ごめんね」


「あ、うん」


いつまでも泣いていては


彼に申し訳がない


鼻をかんで


気持ちを切り替える


「長い道のりですが


よろしくお願いします」


ここから約8時間


雪国までは遠い


この日は春の嵐で


朝から雨と風が吹き荒れていた


わたしの引越し荷物を乗せた


ワンボックスカーが


風の影響で押される


少し怖かった


しかも異性と


ふたりきりのドライブなんて人生初


前日、友達に相談しておいた


「あのね」


前置きを挟んで切り出す


「ロングドライブで助手席は


何をすればいいか


友達に相談したら」


「うん」


彼は車線変更しながらも


ちゃんと聞いているようだった


「隣で歌を歌っとけと言われた」


「え(笑)」


小さな握りこぶし

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