恋愛&小説のブログ

閲覧して頂きありがとうございます!励みになります(ㅅ˘˘)♡*.+゜

小さな握りこぶし5-2

「ポテトのLひとつと


コーヒーMひとつ


あと紅茶Sホットストレートで」


店内は私たち以外に


家族連れが1組


プレートを受け取り


席に着いた


まだ冬真っ只中で


ガラスが曇っていた


彼女は前の彼と別れてから


死んだようにやつれていた


詳細は聞けなかったが


どうやら長い間暴力を


受けていたらしかった


そんな彼女が趣味を見つけ


「気になる人が出来たんだ」


去年話してくれたとき


いい感じになってほしいと


願っていた私は


彼氏が出来たと聞いた時


心からよかったと思った


彼女が口を開く


「ねぇ、子供欲しい?」


「うん、欲しい


やっぱり子供は可愛いもん」


わたしは講師とい職業柄


子供と触れ合う機会が


多かった


子供にはいつも驚かされる


学ばされることが


たくさんあった


「子供作るには


エッチしないといけないよ?」


唐突すぎる


「あ、う、うん」


真剣に言われると


想像してしまって


かえって恥ずかしい


だってキスすら


マトモにできてないのに


「エッチするんだったら


キスなんかでつまづいてちゃダメ」


手厳しい


「そ、そうなんだけど…


でも、恥ずかしいもん


顔が目の前にあるんだよ


近すぎてマトモに見れない」


あのとき


後部座席で彼に別れ際


「じゃあキス…しよっか


…大丈夫?」


って言われた時も


「ちょ、ちょっと待って


落ち着くから」


胸の鼓動が収まらなかった


「無理だったら、無理って


言ってくれていいから」


彼だって恥ずかしいし


緊張してるだろうに


そんな勇気見せられたら


応えないわけに


いかないじゃん


「ううん、だいじょうぶ」


少し落ち着いて


彼に向き直る


正面から見ると


恥ずかしくて


目を閉じた


ふたりの距離が


近づいていくのがわかる


「ん…」


私の唇が触れた先は


彼の口端だった


「ごめん…


ズレちゃった…」


申し訳なさそうに言う彼


「ううん、いいの」


わたしだってまだまだだ


これが初キスだった


この状態でえっちの話なんざ


九九習って


高校受験するようなもんだ


開きなおってしまう


「そこは


頑張りなさいよ」


怒られた


「現実的に見て


お互い良い歳だし


彼の方はタネが枯れ始める


年齢に近いじゃない?」


はぁ、タネって


枯渇するんですか…?


そんなことも知らない


「ってことは、よ?


1回でできる確率が


どんどん下がるってこと」


なるほど数が少ないから、ね


「何回もやるつもりで居なきゃ


子供なんて夢のまた夢」


そ、そうなのかー


「えっちって


その…入れるだけで良いんでしょ?」


私の知識といえば


小学校の保健レベル


「えっちはね


体のコミュニケーションなの


だからただ


やればいいってもんでもない」


コミュニケーションとは


初耳です


「お互いを思いやって


気持ちいいところを


探して行くの


体のコミュニケーション」


でも、結局は


入れるわけですよね?


「そこに至るまでの過程も


ふたりで楽しむんだよ


そうすれば入れる時も


痛くない」


具体的すぎてわからない


「うちの彼は


自分で言うのもなんだけど


めっちゃ上手い


前の彼とはイッたこと無いけど


今の彼は毎回イカされる」


イクっていうと…?


「やっぱ歳下は良いよ♡


可愛い顔してどSだし


わたしMだから尚更だし


なんといっても体力が違いすぎる」


元気ってことですね


自分の知らない世界


今まで


興味を持たないように


してきた世界


彼女の話を聞いて


いろいろ知りたくなった


「とにかく


まずは恥ずかしがらずに


キス出来るようになさい


随時報告待ってるよ」


「え、報告するの!?」


ファストフードで


なんちゅう話をしているんだ


お客が少ないのが


せめてもの救いだった


まぁ、でも


「ありがとう


気にしてくれて


がんばるよ」


彼女と別れて


自分の部屋に戻った


体のコミュニケーションかぁ


おとこの人って


どういう事されたら


気持ちよく感じるんだろう


携帯で検索してみる


マスターベーションとか


文字で説明されても


よく分からなかった


ふとフリー広告欄を見ると


BLのマンガ告知があった


何の気なしに


開いてみる


出てきたのは


可愛らしい男の子と


イケメンの上司


それに働く社員も


皆粒ぞろいだった


読んでいくと


可愛い男の子が


イケメン上司に


押し倒された


ぽー


ここからはちょっと


描写できないけど


恥ずかしくて…


すっごくえっちい


マンガなのに


すっごくリアル


でも


ふたりとも嬉しそうだった


コレをするのか


よくバナナを想像しろというが


小さい頃よく見た父親のものは


バナナとは似ても似つかなかった


美味しそうじゃないし


白くないし


彼のはどんな感じなんだろう


なんだか


すっごくイヤらしい


でもきっと


可愛いんだろうな


なんてひとりでニヤニヤ


小さな握りこぶし

×

非ログインユーザーとして返信する