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小さな握りこぶし11

夜が明けて


朝日が射している


「おはよう」


いつもより


ちょっぴり爽やかな朝


「おはよう」


彼も今日は


返事が幾分はやかった


朝ごはんを食べて


洗濯物を干すと


もうすぐ8時になるところ


仕事終わりが遅い私は


出勤前に


電話を入れる事にした


いきなり実家は


どうかと思ったので


彼のお母さんの携帯にダイヤル


プルルル


プルルル


「はい?もしもし」


誰だかわからない様子


「あ、もしもし


おはようございます


お母さん、ご無沙汰してます」


「あらまぁ


おはようございます」


そういえば


お母さんの番号知ってるけど


掛けるのこれが初めてだっけ


「朝早くからごめんなさい


何時頃掛けていいのか


分からなくて…」


「良いのよ


この時間なら


朝ごはんも済んでるから」


よかったー


「ほんとに?よかった


あ、きのう荷物届きました!


チョコレートありがとうございました


とっても美味しかったです!」


実は勿体なくて


まだ開けてないんだけど…


気持ちの問題だから!


「そう、それは良かった


ごめんねぇ買った物で…


あなたの手作りチョコレート


美味しくいただきました


ありがとうね」


「ううん!


お口にあって良かったです


私こそ、ありがとうございます」


彼のお母さんは


とても気さくで優しい


「それでね


本当に来月から


こちらに来てくれるの?」


「あ、はい


行きますよ」


あれ?


話してないのかな彼


「ああ、良かった


なんだか夢みたい!


あの子に何度も聞いたら


怒らせちゃって


それから引越しの情報


くれなくなっちゃったのよ」


ああ…そうか


私自分のことばっか考えて


彼のご両親にまだ


ちゃんと行くって言ってなかったんだ


何やってんだ私


しっかりしなくちゃ


「あ、ごめんなさい


私からちゃんと言うべきでした」


「ううん、いいのよ」


改めて


「あの、お母さん


来月からお世話になります


不束者ですが


よろしくお願いします」


引っ越ししたら


改めてご挨拶しなきゃね


「はい、こちらこそ


お待ちしております」


「ありがとうございます


それじゃあ、ごめん下さいませ」


なんだか


彼に出会ってから


毎日が失敗の連続です


仕事しながら


1人反省会中


ああ、やらかした


私のせいで


彼とご両親がギクシャクしてる


自分のズボラな性格は


嫌いじゃないけど


今日ばかりは嫌になった


お昼休み


ご飯そっちのけで


彼に謝るメールを打つ


『 ごめんなさい!


ご両親に引っ越しのこと


伝えてなかった


私がちゃんと伝えてたら


ギクシャクしなかったよね


全部わたしが悪いので


ご両親のことは許してあげて下さい


よろしくお願いします』


夕方の休憩時間に


彼のお父さんにも


直接電話でお礼と


ご挨拶しよう


午後の仕事を終えて


携帯を見るとメールがあった


『 きみは悪くないよ


話したつもりになってて


ちゃんと説明してなかった


俺の責任です


ごめん』


…えっと


カン違いさせちゃったっぽいな


コレ


やっぱメールは難しい


デリケートな内容ほど


伝わりにくいという欠点


私の言い方にも問題あるかもだけど…


今夜電話して


訂正だ!


よし


まずは彼のお父さんに電話っと


彼の実家にダイヤルする


プルルル


プルルル


「はい、もしもし」


朝聞いた声だ


「あ、お母さん


こんばんは


また電話しました」


「あらあら、こんばんは」


彼のお母さん


好きだなぁ


「えっと、お父さんいらっしゃいますか?


直接お礼言いたくて」


「居ますよ


ちょっと待ってね」


「はい」


良かったこの時間で


大丈夫だったみたい


いつもは


仕事抜けられないけど


今日はたまたま


空きになったのでラッキーだった


「あ、もしもし」


え?


電話口の声は…まるで…


彼と話しているようだった


「もしもし、お父さん


こんばんは


ご無沙汰してます」


なんか


安心出来る声のトーンなんだよね


やっぱ親子だ


「はい、こんばんは


お元気ですか?」


そして


こちらもまた


お優しいのであった


「元気です!


きのう荷物届きました


チョコレートありがとうございました


とても美味しかったです!」


お母さんの時と同じく


未開封ですが…


気持ちが大事!


「あ、そう


良かった


チョコレート美味しかったよ


ありがとうね」


ちょっと涙でそう


彼に似た声で


彼のような優しさで


わたしの心は


包まれていく


「お口にあって、よかったです


それから電話口で恐縮ですが


来月からお世話になります


不束者ですが、よろしくお願いします」


しっかり


私の言葉を伝える


「ああ、良かった


お待ちしてます


ありがとう」


「こちらこそ、言うのが遅くなって


申し訳ありません


また改めてご挨拶に伺います」


抜けてるとこばかり


申し訳なさがつのる


「はい、分かりました


ありがとう」


彼のお父さんは


なんども"ありがとう"と


言った


わたしこんなに


幸せでいいのかな


向こうに行ったら


頑張らなくっちゃ!


さて気合い十分


残りの仕事


がんばるぞぉ!


気分屋な私は


とっても単純


仕事が終わると


さっそく彼に電話する


プルルル


プルルル


この時間はまだ


寝てない…はず


プルルル


プルルル


あれ


出ないなぁ


しょうが無い


言いたいこと全部


忘れる前にメールしとこ


懲りずにメールに頼るのであった


小さな握りこぶし

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