恋愛&小説のブログ

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小さな握りこぶし9

「あっ…うん


じゃあね」


彼の声を聞き届けて


電話を切った


またやっちゃった…


自分の恥ずかしさを優先してしまう


彼の言葉を待ってあげられなかった


彼女としてどうなの、わたし!


後悔するくらいなら


耐えればよかったんだろうけど…


…はあ…


1人反省会をしながら


家へ戻る


しばらくして


彼からのメール


「モーニングコールありがとう!


言い忘れてたんだけど


大好きだよ♡」


ズキンっ


ああ…


大好き♡マークとか


心臓持っていかれる


これ


生で聞きたかったよぉ


なんで引き止めてくれなかったんだ…って


…彼に八つ当たりとか


やっぱりわたしは最低です


「ううん、喜んでくれたなら


頑張った甲斐あった


ありがと、嬉しい(ちゅっ♡」


なんだかやるせない


分かってたのに


なんでもう少し


待ってあげられなかったんだろう


悔いが残るのでした


その日は一日中


暇を見つけては


メールを見返して


ズキュンっと


ハートを撃ち抜かれるのでした


「大好きだよ♡


大好きだよ♡」


ただの文字のくせに


何でこんなに


私の心を鷲掴みに


するのかな


はぁ…


恋のため息って


なんか切ない


仕事を終えて家に帰ると


「なんか彼から荷物届いてたよ?」


と、お母さん


え、なんだろう?


朝、何も言ってなかったよね?


「え、なんだろう」


「バレンタインのお返しじゃないの〜」


お母さんが嬉しそうに言う


マジか


そういえば今日は


3月14日ホワイトデー


粋なことするじゃん!


「え、そうなのかなぁ」


ちょっと照れる


割と大きめの箱だった


部屋へ駆け上がり


箱開けてみる


ええ、何かな何かな〜?


ドキドキとワクワクが


半分ずっこ


中には


丁寧にリボン包装された


縦長ダークブラウンの巾着袋



表に"GINZA"の文字が入った


白エナメル質の袋


え…


なんか、凄いんですけど


すると


白い袋に付箋を見つけた


『 チョコレートありがとう


とても美味しかったです


父・母』


これはっ!


なんと彼のご両親からでした


実はわたし


バレンタインは毎年


教え子たちに


手作りのお菓子をあげているのですが


今年は


彼と彼のご両親にも


作りました


まさかお返しが来るなんて


しかもGINZAとは…


なんだか申し訳なくて


頭が下がる


…という事は


もうひとつの方は彼から


という事です、はい


開けまーすっ


リボンを解いて


中を見ると


薄ピンクの箱と黒の箱があった


薄ピンクの箱を開いてみる


なんと


最近、はやりのハーバリウム


ハーバリウムは


プリザーブドフラワーや


ドライフラワーを


瓶に入れ液体漬けにして


鑑賞する


いま話題のインテリアだ


光にかざすと


キラキラ反射して


光のグラデーションが


とても綺麗


彼ってば


私の好みが分かってきたみたい


さっそく


お礼の電話しなくちゃ!


ダイヤルする手は


震えてはいなかった


小さな握りこぶし

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